2010年3月2日火曜日

いつもと違う

今日は版の裏表いつもとひと味違う表現を感じる木版画技法を紹介します。


<裏彫り法>

右の色だけがついた版木を刷ったのですが、刷れたものには模様ができてますよね。
版木には何も彫ったあとがないのに不思議〜◈

なぜでしょう?



コレ▲さっきの版木の裏面

表は何もしていませんが裏面にイメージを作ってありました。


版木の裏面を彫刻刀などで彫り、表面に色(インク)をつけ、

プレス機で圧力をかけると彫った部分は圧力が抜け、
インクが紙に写らないという仕組みになっていたのです!!


表面にイメージを彫った時と違って
✰彫り跡の輪郭が柔らかくできるのが特徴✰

似たようなやり方で
<針金法>というのもあります。

これは、版木には何も手を入れません
針金や、金属質のものを使って、イメージを浮かび上がらせる技法。

種も仕掛けもない板の上に
針金などでイメージを作り、それを置きます。
そこへインクをつけた板を重ね
その上に紙を置き、
更にまたまた種も仕掛けもない板をのせ、プレス機で圧力を加えると、

針金のイメージ部分だけ紙に刷れるというもの。

この方法だけで作品を考えるのは少し難しいかもしれませんが、
他の手法と組み合わせると不思議な印象の作品になりそうですね✦✧

もう一つ、
<陰刻法>


黒い紙(墨汁で染めてます)に白のガッシュ(絵の具)で刷ったもの。

もちろん白以外の色も使えます。
普段は白い紙に刷ることが多いのですが、
黒い紙を使うと絵の具の発色も変わって、
☉☉すこし年季の入った風合いのものになりそうですね☉☉


✦応用すると一版で多色刷りもできます✦